鈴木健次郎元校長先生の退官の挨拶を文章にしました。
我々の卒業アルバムに付いていたソノシートをCDにコピーし、それを聞きながら文章にしたものです。
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鈴木健次郎先生 退官の挨拶
第28代校長 鈴木健次郎先生(昭和38年4月〜42年3月)
四年間、諸君とともに秋高の新しい発展のために努めてまいりました。
私はよくその間に「中心校」と言うことを申したのであります。
「中心校」とはなにも秋田県の中心に所在するから、というのではないのです。
また、諸君のエリート意識を強調した訳でもないのです。
本校の長い歴史と伝統が、本校に期待する社会的要請を述べたのであります。
今、高等学校の教育が当面しておる学力の向上、あるいはまたスポーツの振興、あるいはまた日常生活の正しさ、そういうものに対して秋高がその中心となって、その先達となってあらゆる問題を解決するために秋高の役割を強調してまいったのであります。
秋高は古い伝統を持っているのであります。
しかし、伝統が古いとか、歴史が長いとかあるいは設備がいいとか、そういうことは必ずしもいい学校の条件ではありません。
生徒の、一人ひとりの生徒が学業の生活に対して、スポーツの生活に対して、また日常生活についてどのような積極的姿勢を持っているかどうかによっていい学校であるか、どうかということが決定するのであります。
そういう意味に於いて、私は常に諸君に自覚ある、そしてまた厳しい毎日毎日の鍛錬の生活を要請してまいりました。
そういう意味に於いて、私はいい学校であるために一人ひとりの生徒諸君の心構えを強調してまいったのであります。
スポーツと学業の両立ということは極めて困難なことであります。
私もそれを十分承知いたしていますけれども、なおスポーツと学業の両立を強調したのであります。
生徒の一人ひとりがこの目標に向かって、何ものにもくじけない信念を持って、何ものにもくじけない意志を持って、何ものかを創造する力を生徒諸君に期待したのであります。
私はこれからの諸君に望みたいことは、今の民主主義というものは、ともすれば外部の権力に対する抵抗として考えられますけれども、本当の民主主義とは自らの内心にある邪念、欲望に打ち勝つことであります。
その自らの内心にある邪念、欲望に打ち勝って初めて本当の意味の民主主義というものが確立されるのであります。
そういう意味において、これからも生徒諸君は一人ひとり自らの邪念欲望に勝ってみんなと協力のできる学友を作っていただきたいと思うものであります。
私は秋高を愛する。
それがゆえにまた再びここに諸君に入学時に対して述べた同じ言葉を繰り返してお別れの言葉にいたしたい。
汝何の為に其処に在り哉
この言葉に、はっきり断言の出来る生徒一人ひとりの毎日の生活であって欲しいのであります。
私は秋高を愛するそれゆえに、私は諸君一人ひとりの努力によって秋高が今後ますます発展することを、心から祈願するものであります。
・・・了
記事提供 秋田高校昭和44年卒同期会(千秋会)
幹事 老松秀明
※鈴木先生の青少年育成に貢献した内容が魁の記事になっています。
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